投稿者情報

年齢:32歳
性別:女性
職業:パート
住所:神奈川県高松市

体験談

私の父は釣り好きで若い頃から
よく夜釣りに出かけていたのですが、
娘の私も父に感化されたのか時間の合う日は
よく一緒に夜釣りに出かけていました。
これはいつものように時間の合った私と父が
夜の海で釣りをしていた時のお話です。

その日は月の暗いとても静かな日で波もあまりたっておらず、
釣りをするには最適な日でした。
私たちは向こう岸に見える町並みのネオンを見ながら
堤防に座り込んで魚を釣っていました。

暗いと言っても全く見えないことはなく、
向こう岸のネオンの光と月の光が海で反射していたので
周りを見たり歩くことに苦労はしませんでした。

時間帯もちょうどよくこれは釣れるなと
父と話していたのですが、一向に釣れません。
釣れないな、この頃仕事はどうだ、
など他愛のない会話を交わしながら
釣っているお互いの声と波の音だけが良く届きました。

その内に会話も途切れ、辺りには静かな波の音しか聞こえない中で、
その音は聞こえてきました。

遠くの方でザッ、ザッ、ザッ、
と堤防のコンクリートを誰かが歩いている音です。
夜釣りには最適な日だったので誰か他の釣り人が来たのかな、
くらいにしか思わず、
私はそちらを確かめることもありませんでした。

波が堤防に打ち付けられると堤防と海の境で夜光虫が
黄緑色にきらりと一瞬きらめいては消えていきます。
釣れな過ぎて餌を付け替えたりリールを巻くことも
忘れてそちらばかりに気を取られている私に父が呼びかけました。

「おい、さっき人来たよな?」
父に問われ、そういえば足音がしたなと思い出しました。
「来たと思うけど。足音したよね?」

答えて初めて足音のした方に目を向けたのですが、
道路わきをずっと続いている堤防には誰もいません。
停まっているのも私たちが乗って来た車だけで
他には車は一台も見えませんでした。

「帰ったんちゃう?」
私は父にそう言いました。

「足音せんかったけどの」
父は不思議そうな顔をして堤防を見回しました。

気の所為だったで片付けて
私たちは再度釣りに集中しました。
そしてまた聞いたのです。

ザッ、ザッ、ザッ。
今度は私と父は同時に音の方を振り返りました。
そこには誰も居ませんでした。

「なんこれ・・・」
その時点で私は恐怖を覚え、
一刻も早く帰りたくなりました。
「野良犬かなんかかもしれんが」
父は言います。

夜の海というシチュエーションから
妙に怖い想像ばかりしてしまう私でしたが、
父の言葉の方がよほど現実的でした。
しかし恐怖はその言葉だけではぬぐえず、
そうやね、と私は返しながら、
そうじゃないと怖いから野良犬ということにしておこうと
自分に言い聞かせていました。

それからも私たちが釣りに戻る度に足音はしました。
ザッ、ザッ、ザッ。
「なぁ」
ザッ、ザッ、ザッ。
「何?」
ザッ、ザッ、ザッ。
「これ近づいて来とらんか?」
正直、分かっていました。
言わないでくれと思いました。

私には霊感なんてものは一つもありません。
今までそんな不思議な体験をしたこともありません。
怪談話は好きですが、
自分の身に降りかかるなんて一つも思っていません。

ザッ、ザッ、ザッ。
しかし堤防を、こちらに向かって足音だけが近づいてきます。
「いかんのこれ。もう帰るか」
父は言いました。
私は頷いてすぐに帰り支度を始めました。
その間もずっと足音は時折聞こえ、
私たちの方向に向かってきます。

ほんのすぐ傍まで来られたらどうなるのだろう。
今度の足音が、すぐ隣で聞こえたらどうしよう。
不安になりながら片づけを終え、
荷物を持とうと腰を曲げたその時です。

ザッ。
足音は一つだけでした。
本当にほんのすぐ傍で、足音はしました。
反射的に目線だけをそちらに向けてしまったのですが、
暗がりの中に裸足の足が見えました。
腰を曲げていたので全身を見ずに済んだことは幸いで、
私と父はその瞬間に足とは反対方向に走り出しました。

あの足が何だったのか、
どうして私たちの元に寄って来たのか、
私たちには見当もつきません。
これが私と父の恐怖体験です。
ですが不思議なのはこれだけではないのです。

車まで戻ってすぐにエンジンをかけてその場から離れ、
漸く落ち着いて来た頃に、
さっきのあれは一体何だったのか父と話していた時のことです。

父は言いました。
「びしょ濡れの女の脚やったな。
細くて真っ白で、爪だけ真っ赤で、何か塗っとったんかな?
これはいかんぞって思ったわ」

ぞっとしました。
私が見たのは、塗れてはいましたが、
爪がボロボロに割れた太い男の人の足でしたから。

今思えば、暗いあの夜、
どうして父が赤い色を識別できたのか、
どうして私が爪がボロボロだったということまで識別できたのか、
それも私にはわかりません。

まとめ

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