
投稿者情報
年齢:33歳
性別:男性
職業:会社員
住所:神奈川県横浜市
体験談
私が大学生の頃のお話です。当時私は彼女と半同棲の状態でした。私と彼女で共に生活費を工面していましたが、若く怠惰な暮らしで、それでも貯金などは出来ず。
そんな生活のある大晦日。私たちは共にバイト納めを果たし、我が家へ帰還。「よし、大晦日くらい盛大に鍋でもやろうじゃないか!」と二人して意気揚々と決め込んでみたものの、互いのサイフの中身を見て絶句。ちょうど給料日前のため、二人の残金は足してもいくらにもなるものではありませんでした。目も当てられない状況でしたが若い二人は「それならビールは買おう!そしてつまみはもう、とうふだけだ!」ということにして、細やかな晩餐の準備に取り掛かりました。
二人でこたつに入って、乾杯。久々のビールに舌鼓を打ちながら、仕事の愚痴を交わし、とうふが煮え上がるのを待ちます。ぐつぐつ、、、ぽこん!ととうふが煮えあがると、彼女が私によそってくれます。実家からの贈り物で鉄製で重厚な格式高そうな食器に、とうふがころんと運び込まれます。私たちは互いにそれを行い、全くそうではないのに「おいしいね!」と言いながら酔いを深めていきました。何度かそういったやり取りをしているうちに、ふと妙なことに気が付きました。
先程から私の食器だけが、とうふをよそった後に、ススーッと右に動いたり左に動いてるように見えるのです。初めは食器の下が濡れて滑っているのかなと気にもしていませんでしたが、食べている最中も不自然なタイミングで動いています。私は”ははーん、こいつ私を怖がらそうとしているな”とイタズラだと思い咄嗟に「おい、こたつから出ろ。足を出せ。」と笑いながら言いました。すると彼女は怪訝な表情でなに?と言いながら足を出しました。
これでもう動くまい、と食器に目を落とすと今度はススーッと、それはまるで誰かが手で引かないとありえない程大きく動き始めました。私はうわあ!と大声をあげてこたつから飛び出ました。「今の見た?」「うん、見た・・・。」「ていうかさっきから何度も動いてない・・・?」どうやら彼女も気づいていたようでした。私も彼女も酒にはめっぽう強く、二人して泥酔するようなことは滅多にありません。ましてこんなちびちび飲み交わしているようでは酔いようもありませんでした。
「これは一体なんなんや・・・。」二人してこたつから出てその寒さと、目の前の光景に異様な光景の前でしばし固まってしまいました。意を決した私は「誰かいるんですかっ!?私たちにはあなたが見えません。いるならもう一度食器を動かしてみてください!」と部屋のどこへ向けるでもなく大きな声で言いました。するとススーッと食器が目の前で右へ左へ応えるように動き始めるのです!私と彼女は二人してうわあ!と声をあげて抱き合いました。
今度は彼女が「もう一回!もう一回!」と言うとまたススーッ。「なにこれ!?え、なにこれ!?なになに!」と二人はもう大騒ぎ。ただ不思議と怖いという気持ちは強くなく、何か悪いものにも感じられませんでした。何度かそのやり取りを繰り返した後に私は「これもうとうふを食べたい幽霊なんや」と結論付けることにしました。とうふを一切れくらい今晩備えてあげようか?と私が言うと、今度は彼女がどこへ言うでもなく「あんたにあげるとうふはうちにはないねん!ごめんな!」と大声をあげました。
するとどうでしょう。先程から呼びかける度に動いていた食器は最後にススッ!とふるえたが最後、それ以降一切動かなくなってしまいました。それから私たちは結局二人で最後の一切れまで残さず食べきり、何事もなく新年を迎えるにあたりました。後から霊感の強い彼女の友達に聞いてみたところ、霊道が近い位置にあったそうです。「大晦日で、あんたら楽しそうやから紛れてしまったんちゃう?」とのことでした。今でも当時の彼女と会ったときは、その話を懐かしく話します。私はいつかまたあの幽霊と出会ったら、今度こそとうふの一切れ二切れをお供えしてあげようと思うのです。
まとめ
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